どうも、さんぱっちです。
お金の勉強をしていると識者の方々が口を揃えて保険はいらないと仰っていますよね。
一般的な保険の中でも特に言われているのが
「積立型は絶対に不要」「元本割れしても今すぐやめた方がいい」
と言うやつです。
保険やめようかなと考えていた当時の私はまだ積立型の保険に入って1年程度だったため、若干悩みつつもまぁそんなに払ってないしそこまで言うなら別にいいかでやめることにしました。
最終的にやめた時の掛け金及び解約返戻金は夫婦で合わせて
18万円払い込んで5万円戻ってきた
こんなイメージだったと思います。
……改めて見ると全然「別にいいか」じゃないような気もしますが、勉強代だと思いましょう。
私たちのように加入期間が短ければさておき、何年も積み立てている方々にとってはマイナスが大きくかなり抵抗感がある選択なのではないかなと思います。
現に私の身内も同じような状況になっています。
そこで今回は「やめるor続ける」のどちらが正解なのか。
私なりにしっかりと考えてみた過程と結論をお届けいたします。
元本割れと向き合うための考え方
損失に対する考え方
積立型保険は買った(入った)段階で損失が確定する
私の尊敬する、とある識者はそう言ってました。
とてもつらい。
当時私たちが加入していた積み立て型保険は夫婦とも同じような内容で
毎月7000~8000円程度の積み立てで死亡保障は300万円(掛け金は合計280万円)、65歳になると解約返戻金が100%を超える。
といった感じのライトなものです。
ちなみに中途解約した場合の解約返戻金は概ね60~70%でした。
損したくない典型的な日本人である私がやめようとしたときに若干躊躇したのは言うまでもありません。
「65歳になったら100%越える(ちょっと増える)し、それまではずっと死亡保障もつくな……」
「別に払い続けられない金額でもない(と思う)しな……」
こんな感じの言い訳が頭の中に浮かびましたが、識者の言葉を聞いて考えを改めました。
「その掛け金を投資に回した方が良いんじゃないか」
この言葉のおかげですっとやめられたような気もしますね……。
当時の視野が狭かった私は保険をやめた後のお金の運用のことなど一切考えていませんでした。
「とりあえず損しないために保険やめなきゃ!」
としか思っていない私のような人は損失が確定している時点で絶望し「まぁ今は考えなくていいか……」と答えを先送りにしがちなのではないでしょうか。
……私だけですかね。
まぁそれはさておきまして。
とりあえずやめた分を単純に積立投資に回したらどうなるのかなと、実際に考えてみます。
どう計算すれば良いかなと思案してところふと、FP試験を受ける際に学習した6つの係数の中でちょうど使えるものがあるということに気が付きました。
年金終価係数
これは「毎年一定金額を積み立てながら利回り何%で運用した場合は何年後に何円になるよ」ということを計算するときに使う係数です。
もちろん、わざわざ自分で数字を出して計算するなんて面倒くさいことはしません。
googleで「年金終価係数」と検索をかけ、一番上に出てきたサイトに飛べば簡単な入力だけでその結果を知ることができます。
ちなみに下記のサイトなら他の係数の計算も簡単にできますので、ぜひ一度お試しください。
私は年間積立額をそのままスライドし9万6千円、利回りを比較的安全な3%に、運用期間を残りの積立予定期間だった29年で設定して計算をスタート。
その結果、なんと
4,341,024円
という数字が叩き出されました。
メッチャ増えるじゃん……
なるほど、確かに投資に回せばそれでいいなと損失の部分では納得ですよね。
保障に対する考え方
さて、損失を上回る利回りが出せる可能性が高いことは分かったとは思いますが、こう考える方もいるのではないでしょうか。
「途中で死んだ時の保障が何もないじゃん……」と。
そう、投資として見たときには保険をやめることで勝ちは確定的なのですが、死亡保障の部分も気になる人は気になりますよね。
じゃあ積立じゃなくて掛け捨てならどうなのだろう?
ということで次は元本保証はなしで同じ程度の保障だけを受けるために必要な金額を試算してみることにしました。
ひとまず私は安いと噂の「ライフネット生命」で掛け捨て保険を検索してみることに。
ググってみると上記のURL、「10秒見積もり」なるものが検索結果に表示されます。
なんだか早そうなのでそこを選択し自身のざっくりとした個人情報を入力。
保険金は500万円が最低金額となっていたのでとりあえずそれに設定、保険期間は10年単位だったため30年にしてみました。
サクっと検索結果が表示され、上記の条件だと月々の払い込み金額は……
1,293円
やっっっす……
掛け金の合計は30年間で465,480円です。
30年間分の保障のためだけにに払い込む保険料って、掛け捨てだとそんなもので済むんですね。
衝撃を受けつつ、ちゃんと考えてこなかった自身に深く反省した瞬間でした。
それぞれの視点を掛け合わせ自分で考える
さてここでそれぞれの結果を踏まえて、もともと入っていたもの以上に良い条件になるのかなと改めて考えてみることにしましょう。
もともと入っていた内容とそれにより享受できるメリットは下記のとおりです。
参考
- 月々の保険料8000円(元本合計約280万円)
- 払込期間30年(返戻金が100%を超えるのは35年なので+5年後の受け取りを想定)
- 死亡保障は終身で300万円
- 65歳時に解約して受け取れる返戻金は283万円
- もし99歳まで受け取らなかった想定の返戻金は299万円
なお生命保険料控除の影響に関してですが、あまりにも小さかったため今回は割愛しています。
これに対して解約した掛け金で最低限の掛け捨て保険に入ったと仮定し、残りの資金を資産運用にまわしてみます。
ココがポイント
- 月々の保険料1300円、投資掛け金6700円(元本合計約280万円)
- 投資は29年間積み立てその後5年間はそのまま運用継続(利回りは税引き後3%)
- 死亡保障は30年定期で500万円(ただし保障が終わる頃に資産額は364万円程度に上昇見込み)
- 65歳時の資産額は422万(60歳以降は364万円をそのまま運用)
- 利回りを1%に落とし99歳まで受け取らなかった想定の資産額は592万円
皮算用な部分も多々ありますが、どちらがおいしいのかは火を見るよりも明らかなのではないでしょうか。
なおパッと見でも65歳以降は超絶安全な運用をしても増えるんだよとアピールするべく利回りは1%に設定しています。
また60歳以降は保険料の払い込みがなくなるのでそれに合わせて追加投資はせずに、元本だけをそのまま5年間運用するつもりで計算しています。そのため以降に使っている係数は
終価係数
というものに変更しています。
これは「今持っている元本を利回り何%で運用したら何年後には何円になるよ」ということを調べるものです。
先ほど年金終価係数での運用を計算したサイトで終価係数も計算できますので、ご確認ください。
さて、投資と保険を分けて考えた際のメリットを纏めると
ココがポイント
- 60歳までは死亡時の保証も300万円→500万円にUP(しかも死亡時には積み立てた投資元本&運用益も残る)
- 60歳を超えた時点で死亡保障はなくなるが投資資金が積立型保険の保障額を上回っている可能性が高い
- 積立型保険の解約返戻率が100%を超えるタイミングでは資産に100万円以上の差がついている可能性が高い
このような形になります。
分割して考えると、非常にお得であることがご理解いただけるのではないでしょうか!
結論
それなりにちゃんと計算して考えてみた結果、私の場合は論理的にも
やめた方が得をする可能性が高い
ということがわかりました。
積立型の保険にはただでさえ長期の資金拘束という厳しい縛りがあるのにこれはあんまりでしょう……。
「絶対いらない」と言われるだけのことはありますね。
皆さんの置かれている環境や条件は千差万別で一概には言えないでしょうが、下記の3つを考えつつ一度自分で試算してみた方が良いかもしれません。
- これまで積み立てた額と解約返戻金を計算
- 残りの払い込み期間を比較的安全な投資利回りで運用した場合の運用益を計算
- 残りの払い込み予定だった期間の保障を掛け捨てに変えた場合の金額を計算
これを考えてみたときに、やめると明らかに損をするというのでしたら解約返戻金が100%を超えるまで大人しくしていても良いかもしれません。
そのあとはそのまま保険として持っておくか、返戻金を受け取り投資に回すのかは各々の性格に合った形で考えれば良いんじゃないかなと。
今回改めて思ったのは、多くの識者が言う
保険と投資は一緒にしてはいけない!
はまさにその通りだなということです。
「後で戻ってくるしその間保障もあるし銀行より増えるからまぁ良いじゃん」
と思っている人は一度立ち止まって、本当に続けた方が良いのか自問自答してみてください。
そしてその結果いざ「じゃあやめようかな」と思った時には、何も考えずにやめるのではなく諸々シミュレーションしてみると、しっかりとその理屈が腹に落ちてくるかと思います。
ちなみに私は積立型保険を掛け捨ての保険に変えた場合どうなのかも考えてはいますが、今は夫婦二人のみなのでそもそも生命保険はいらないかなということで解約した分は全額投資にまわしています。
っていうかほとんどの人は掛け捨ても積み立てもどっちも入ってるんじゃないかな……。
だとしたら積立だけやめるのなら以降は全部投資にしても良いんじゃないかな……。
そんな風に思う今日この頃でした。
皆さんも一度、検証してみてくださいね!
まぁダメージは少なかったから……。
わーいお金戻ってきた!
?!